節約発投資行き 事業価値の算出という技(セス・クラーマン)
特に心に残った部分を引用させていただきます。それにしてもこれをいつも和訳されているbetseldomさんには頭が下がります。
事業価値を正確にはかろうとする試みはどのようなものであれ、精密だが不正確な価値を導き出してしまう。これは精緻に予測する能力を、正しく予測できることと混同しやすい点に問題がある。
中略
コンピューターで表計算ソフトを使える時代になり、この問題はいっそう悪化した。詳細かつ周到な分析ができるとの幻想が生まれたのだ。たとえ最高に無計画な試みであってもだ。一般に投資家は、出てくる結果には非常に重きをおくが、それに対して仮定のほうはほとんど顧みることがない。
事業価値を評価する困難さと投資家の犯しやすい過ちに触れており、肝に銘じておきたい内容です。
特に私はDCF法でまさに事業価値を算出して割安だと思われるものに投資をしているので、事業価値を算出する際に最も悩ましく、しかし最も重要な将来のキャッシュフロー(バフェットはよくオーナー収益を重要視していますが)について考えさせられる言葉ではあります。
しかし将来の収益などというものは基本的には予測不可能なものです。だからこそ、その不確実な予測の確率を上げるために、事業の理解がとても重要となってくるのだと思います。
バフェットは上記の内容を別の言葉でこう表現しています。
「正確に間違っているより、大雑把に正しい方がましだ」
端的に 要旨を表現した金言だと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿