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2017年10月29日日曜日

「完全なる投資家の頭の中」 トレン・グリフィン



世界で最も聡明な投資家の一人であるチャーリー・マンガーの金言がちりばめられたすばらしい本です。この本を読んで思うことは、腰のすわったバリュー投資を行うには広範な知識、広い視野、多面的な分析が必要だということです。

日常で投資情報を拾っているとどうしても四季報がどうだとか、どこのお店が繁盛しているとかそういう話になりがちです。しかし、そのような近視眼的な視野ではほとんどの場合すでにある程度買われている銘柄しか拾うことができません。

しかし、歴史に学び、世の中の大きな流れを俯瞰的に捉え、株式市場の喧騒から少し離れて思考すれば、本物のバリューを見つけることができます。しかし、このようなバリュー投資は報われるのに最低でも2、3年はかかるため、本物の忍耐力が試されます。

また、バークシャー(マンガー)は可能な限り永遠に保有したいと考えています。これは節税の問題もありますし、多額のフロートが年々積みあがっている影響もあるのだと思います。普通の投資家ならば(私もそうなのですが)欲しい銘柄がいくつもあって資金が足りないのが常です。とはいえ、その言葉とは裏腹に、意外に(通常の投資家よりはよっぽど少ないですが)バークシャーはそれなりに売買を行っています。意外とあっさり売却することもあります。それだけ永続的に保有に足る条件を満たすことは難しいのでしょう。

以下は、本書の中で心に響いた部分です。マンガーではない人の金言も含まれていますが。

p53
公開市場でトレードする投資家にとって、安全域は高速道路の車間距離に似ている。どちらも目的は予想を不要にすることにある。前の車と適切な車間距離を空けておけば、今見えることには反応する必要があるが、前の車の運転手の行動を予想する必要はない。 
これはとても分かりやすい表現です。

p96
お金の問題については、何千ページにもわたる規則よりも、基本原則である「自分の資産をつぎ込んでいる」かどうかを注視すればよい。
最近この点はあまりチェックしていませんでした(汗)。確かにその通り。だから一般的にオーナー企業の成長性の方が優れているのですね。

p120
プロスペクト理論が金融界にもたらした最も重要な貢献は損失回避、つまりほとんどの人は損失のほうが同じ金額の利益よりも大きく感じるという発見です。経験的証拠から、私たちが損失によって受ける喪失感は、利益による喜びの2~2.5倍大きいことが分かっています。
これは何度言っても言いすぎることがないほど重要です。私も若い頃、有望な銘柄を利確して、見込みのない銘柄の損失を先送りして、目も当てられないポートフォリオだったことがありました。このことを10年早く気づいていたら今頃は・・・。

p166
アインシュタインですら、ひとりで研究していたわけではありません。大きな学会に出席しなかっただけです。人はだれでも話し相手が必要なのです。
今私に足りない部分かもしれません。投資に関してはすべて一人で決めていますし、ネット上の人の意見を参考にすることはよくありますが、相談したことはありません。

p189
ソロスは、自分以外の人たちがハイテク株で大儲けしていることに耐えられず、結局、巨額の損失を被りました。
マンガーは自分のコアコンピタンスにとどまることを特に強調しています。このこととコアコンピタンスを広げることとのバランスとその理解が難しいですね。折しも最近バークシャーはアップルへの巨額の投資を行っています。

p190
ウォーレンと私が持っているスキルは、簡単に教えることができます。ひとつは自分の能力の優位性を知っていることです。もしその優位性が分からなければ、それは能力とは言えません。また、ウォーレンも私もよくある愚行を退けるのが得意です。私たちは、標準的な間違いを懸命に排除してきただけで、たくさんの有能な人たちや勤勉な人たちの先を行くことができています。
簡単な間違いを退け続けることが何よりも重要です。今の状況ですとやはり相場の過熱感には注意を払いたいです。個別に見て買われすぎているものがあれば適度に売って、下落に備えてそれなりの資金量は確保しておきたいところです。ただ必要以上に売る局面でもないかなと思っています。

p241
堀について
1.供給側の規模の経済性と範囲の経済性
2.需要側の規模の経済性(ネットワーク効果)
3.ブランド
4.規制
5.特許と知的財産
供給側と需要側で規模の経済性を分けて考えるとわかりやすいんですね。この両方を備えているのがアマゾンだとのこと。
 


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2016年7月31日日曜日

「バフェットの株式ポートフォリオを読み解く」 メアリー・バフェット&デビッド・クラーク



良い本でした。バフェットの近年の具体的な投資先とその選定理由、そして株式を「疑似債券」と見立てたときの利回りやEPS成長率とPERによる利回りの算出を行い購入分析を行っています。これらの例示に紙面の大半を費やしています。この購入分析の記述を読んで、バフェットを良く知る人であればピンときたかもしれませんが、「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」とまったく同じものです。したがって、ある面では同書の続編と言えるかもしれません。



それにしても、さすがに腰の据わった投資をしています。資金が大きくて容易に乗り換えられないということもあるでしょうが、本当に競争力がある企業をリストアップしておき、自分が買ってもよい水準になったら数年かけて仕込む、そんな感じです。その間は株価が下がり続けてもお構いなし。このあたりはなかなか真似できるものではありません。

その代わり「永続的な競争優位性」を持つ選りすぐりの企業を見極め、そこにしか投資していません。その見極めに自信があるからこそですね。私もいずれはそんな腰の据わった投資をメインにしていきたいです。



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2016年6月1日水曜日

「千年投資の公理」 パット・ドーシー


長期投資の神髄が書かれた良書です。堀(バフェットのいう城池)をもつ企業を探すためのフレームワークを具体的に与えてくれます。著者によれば以下のものが構造的な優位性だとのこと。

1 無形資産
2 顧客の乗り換えコスト
3 ネットワーク効果
4 コストの優位性

逆に誤解されている堀として以下を挙げています。

1 素晴らしい製品
2 大きなマーケットシェア
3 ムダのない業務執行
4 優れた経営陣

私にとって一番身近な小売業やサービス業というのは構造上堀を持ちにくいビジネスだということです。なので、結果的に私は広い堀をもつ企業にはほとんど投資できていないということが分かりました。自分の投資も将来的にはこのような腰の据わったものしたいです。

ただし、堀が広くて利益率の高いビジネスが必ずしもEPS成長につながるわけではないことに留意する必要があります。自己資本の充実という観点からは間違いなく株式の価値を長期的に増加させてくれるでしょう。

また、手元に置いておきたい書籍が一冊増えました。



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2016年3月11日金曜日

「モノの原価がまるごとわかる本」 ライフ・リサーチ・プロジェクト



なんとなく分かっているようで本当は分かっていないものの原価がよくわかる本でした。とても気軽に読める本なので、電車で読むのにちょうど良かったです。

最近食べ放題のお店が多い理由や葬儀社への新規参入が多いことなどもこの本を読んで良く理解できました。



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2016年1月15日金曜日

「株式投資 第4版」 ジェレミー・シーゲル



・株式投資は長期で見れば、リスクもリターンもどの債権より大きいということをデータで明らかにしています。
・基本的には指数の話が多いのですが、個別銘柄においても配当利回りの大きい低成長株の方が、高成長株よりもパフォーマンスが良いことを示しています。この要因として低成長株の配当を再投資することで長期的にパフォーマンスを引き上げること、高成長株には高いPERがついていることが多いため、結果的に必要以上のプレミアムを支払ってしまうことを挙げています。
・上と同じ理由で、高成長の新興国市場における投資が必ずしも高いパフォーマンスにつながるわけではないと筆者は述べています。

データの裏付けがあり、説得力のある良書です。

手元に置いておきたい書籍です。


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2015年12月13日日曜日

「運とつきあう」 マックス・ギュンター



第三の方法「「スプーン一杯」のリスクをとる」で、リスクを全くとらない人は手始めに宝くじを買うことを進めていますが、なんでも良いからリスクと向き合えば良いと考えると趣旨を読み誤ると思います。

実際にはある事象に対して自分にエッジ(分)があるかを判断し、ある場合はそのエッジの大きさと確率に応じて掛け金を決定するという行為を、状況や結果に惑わされずに、反復し続けられるかが重要であると思います。そのあたりは下記書籍の記録を参照ください。

株式市場で生き抜くにはやはりベイズ統計~「シグナル&ノイズ

そのほかにも「人の流れ」に飛び込む、や「いくつも同時にこなす」など自分は苦手ですが、その重要性を再確認できました。

第1の方法 「運」と「計画」を区別する
第2の方法 「人の流れ」に飛び込む
第3の方法 「スプーン一杯」のリスクをとる
第4の方法 引き際をわきまえる
第5の方法 運を運ぶ
第6の方法 ジグザグに進む
第7の方法 「迷信」とつきあう
第8の方法 「最悪」を想定する
第9の方法 沈黙を守る
第10の方法 教訓にならない教訓
第11の方法 不公平を受け入れる
第12の方法 いくつも同時にこなす
第13の方法 「運命の相手」に出会う


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2015年12月4日金曜日

「となりの億万長者」 トマス・J・スタンリー&ウィリアム・D・ダンコ


資産を築くための基本的な生活習慣、思考について書かれた本です。稼ぐ以上に使うとお金持ちになれないという、いわば当たり前のことを書いているのですが、データを使って説明しているので説得力があります。

私自身は日々の生活については蓄財優等生に該当していそうですが、家や車に関しては蓄財劣等生の過ちをおかしています。ここから挽回しなくては億万長者になれそうもありません(笑)。

本も小さいし、手軽に読める内容なので、電車の中で読むのにもってこいでした。

12歳の少女が書いた王様のルールが良いと思いました。うちにもちょうど12歳の娘がいますので、真似しようかと思案中です。

・強い子になれ。人生には薔薇の花園が待ち受けているとは限らないんだ。
・「私ってかわいそう」と言ってはいけない。自分を哀れな人間だと思うな。
・靴のかかとを踏みつぶして履かないこと。粗末に扱って、新しいものを欲しがってはいけない。ものを大切にしなさい。そうすれば長持ちする。
・ドアをきちんと閉めなさい。部屋の温度が下がるだろ。お父さん、お母さんのお金を無駄にしてはいけない。
・ものを使ったら、元の場所に戻しなさい。
・いつも明るく。
・助けを必要としている人には、すすんで手を差し伸べなさい。


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2015年11月26日木曜日

株式市場で生き抜くにはやはりベイズ統計~「シグナル&ノイズ」



良い本でした。どうすればより良い予測ができるようになるかという内容なのですが、その考え方はそのまま株式投資にも応用できます。本書によれば特にポーカーと投資がよく似ているそうです。

なので、ちょっと本書の趣旨からずれてしまいますが、特にポーカーと株式市場において気になったところを抜粋してみます。

P260
成功するギャンブラーというのは、絶対勝てる賭け、疑う余地のない理論、寸分の狂いのない測定といった観点から将来を考えない。これは愚か者の幻想であり、自信過剰警報となる。成功する人が将来を見つめるとき、そこには点在する確率分布が広がっている。確率は新たな情報が入ってくるたびに、株価の電光掲示板のように目まぐるしく変化する。ターゲットを十分な余裕をもってカバーしていると考えるなら、賭けてもいいだろう。

ベイズではまず事前確率はできるだけ客観的に、しかし若干の主観が残りバイアスがあることを承知で見積もります。そして自分の認知に限界があることをしっかりと認めるわけです。そして、その後得られた新たな情報により事前確率を修正します。そうすれば真実に近づけるというものです。つまりトライアル・アンド・エラーなのです。

P361
いいプレーをして勝つ。いいプレーをして負ける。まずいプレーをして負ける。まずいプレーをして勝つ。ポーカーのプレイヤーなら誰でも、これらの状況を何度も体験するので、プロセスと結果は違うものだらけだということが分かっている。

P260と同じことを言っていますが、将来には点在する確率分布が広がっているわけです。ですので、必ず成功するとか、絶対失敗するということはありえません。しかし、長い目でみれば確率分布通りになります。

P362
ポーカーをプレーするとき、判断を下すプロセスはコントロールできるが、どのカードが来るかはコントロールできない。たとえ相手のブラフを見抜いたとしても、相手に都合のよいカードが開いて負けるかもしれない。そんなときには怒るのではなく、喜ぶべきだ。最良の戦い方をしたのだから。皮肉なことだが、結果へのこだわりがなくなるにつれて、良い結果がでるようになるだろう。

確率分布通りの結果を得るには、多くの反復が必要です。したがって、数回失敗したからといって自分が間違っているとは限らないし、逆に数回成功したからといって自分が正しいと決まったわけでもありません。

P406
私自身は、多数が一致した意見には注意している。それに執着することはないが、コンセンサスから離れれば離れるほど、「みんなが間違っていて自分は正しい」と思うにいたった根拠が強固なものでなくてはいけない。たいていの場合は、こうした姿勢がよい結果をもたらす。ときには自分だけが市場に勝つこともあるが、いつも期待してはいけない。それは自信過剰のサインである。

もし、根拠が強固でコンセンサスと離れていれば、それは大いなるチャンスとなるでしょう。めったにあることではありません。大きく賭けるべきでしょう。

勉強になりました。ベイズを知りたいかたは別ブログになりますが、こちらもどうぞ。

現代の最先端の技術を支える理論「異端の統計学ベイズ」: 子供二人と猫一匹



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2015年9月13日日曜日

マーケットの魔術師



損切りにより損を出来るだけ少なく、利益をどこまで伸ばすかが大切という意味ではみな共通しています。

ジム・ロジャースの次の言葉には心から同感です。

「(その評価損に耐えなければならなかったのかと聞かれて)評価損などというものはないんだよ。評価損イコール実現損だ」


しかし、先物や通貨の相場の行方に賭けるトレーダーの話が多く、私としてはしっくりきませんでした。

内容を見ていると株式編(桃本)や続マーケットの魔術師(紫本)の方が自分には合っていそうです。





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2015年9月5日土曜日

ケリーの方法の偉大さが良く分かる~「天才数学者はこう賭ける」


ケリーの方法の偉大さと天才数学者がたどり着いた投資法が分かるとても面白い本です。

ケリーの方法は複利計算による収益率において最も効率が良い方法で、この本を読むとこの方法以外は考えられないというぐらい優れた方法です。

全額投入方式、固定額投入方式、マーチンゲール方式、ケリー方式の資産の増え方を比較したグラフがP127にあるのですが、このグラフを机の横に貼って常に眺めたいくらいです。

ケリーの方法の凄さは、(マーチンゲール方式がいつか陥るような)とことん運が悪い場合においても破産しないという条件を満たしながら、複利で資本を運用する場合にいかなる方法よりも収益率が良いというところです。これを独学で考えつくことはほとんど無理でしょうから、先人の知恵はありがたいです。

ケリーの方法の最適な資本配分はある取引に資本全体の

エッジ/オッズ

の割合を賭けるというものです。オッズは競馬でいうあのオッズ(当たった場合に元本とは別に得られる利益の元本に対する比率で、日本の競馬だと「オッズー1」となります)です。エッジは日本語でいうと分、つまり分があるということで、期待できる利益の元本に対する比率です。少し分かりづらいのですが、オッズが実際の期待値と同じであればエッジは0になり、賭け金は0となります。

この記述は少し分かりづらいので、バフェット投資の真髄から式を引用します。
勝つ確率がpだとするとその事象に賭ける全体に対する割合xは

x =2p-1

で表わされます。例えば勝つ確率が55%だった場合は全体の10%を、75%なら全体の5割を賭けるのが最適ということになります。

ケリーの方法の唯一の欠点は、浮き沈みが激しすぎるということです。本書によればある時点から資産が倍になる前に1/2になる可能性が1/3あります。いかに最高の収益率が得られるといっても精神的に耐えられるかどうか分からないレベルです。

したがって、実際に効率よく資産を運用している投資家はケリーのハーフモデル(ケリーで得られた量を半分にすること)を用います。そうするとリターンは3/4に減ってしまいますが、資産が倍になる前に1/2になる可能性が1/9に激減します。リスク許容度に応じてケリー~ハーフケリーで資金管理をするのが現実的です。

ケリーの方法は資金管理の方法であり、実践的にはエッジのある取引を見つけることとその期待値を数値化することがもう一つの問題になるでしょう。これらの問題が難題であるため、多くの投資家は「信じる度合いに賭ける」を無意識的に行っています。

しかし、本書の第2の主人公のエド・ソープは効率的だとされる!市場の僅かな非効率にエッジを見出します。裁定取引の中で理論的にエッジを計量し、ケリーを用いて最適な資産配分を算定し、圧倒的な利益を上げ続けます。

市場の動向とは関係なく利益を見出す様は圧巻ですが、数学者は短期のアービトラージに走るのかという少し残念な思いはありました。

そして最後に、この作品の主人公である天才数学者シャロンが行きついた投資法が一部紹介されるのですが、そのポートフォリオがまた驚きなのです。どう驚きなのかはネタバレしますのでここではご紹介しませんが、先人の知恵のありがたさが分かる良書でした。お勧めです。

ブラックスワンでも3σでも6σでも市場から退場せずに生き残ることはとても重要で、使うか使わないか使えないかは別としてケリーの方法がどんなものかを知っておいて損はないでしょう。


本論とは関係ないのですが、あまたの発明をし、世紀の天才と言われたシャロンは晩年アルツハイマーを患います。常に常人の何倍も頭を使っていた人ですらアルツハイマーになるのですから、ボケ防止のために数独とか麻雀とかしてもあんまり意味ないんですかね。
 


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2015年5月8日金曜日

世界の金融の歴史を概観するのに最適な良書~「金融の世界史」



世界の金融の歴史を概観するのに最適な良書です。もともとがフジサンケイグループの「ビジネスアイ」に寄稿された記事なので、一つ一つ独立していて部分的に読むこともできます。

公正な立場から様々な事象を的確に捉えている印象を受けます。かつ姿勢が謙虚、語り口がソフトなので、読後感が心地よいです。本棚に置いておきたい一冊がまた増えました。



以下は概要です。

第1章では古代において資産の価値を牛で評価したことが紹介されています。もし利子の起源が牛など家畜の繁殖や穀物の収穫だと考えるなら、利子所得も所有者の当然の権利であると著者は主張しています。また牛が子牛を産み、その子牛がさらに子牛を産むことを考えるなら、利息の計算方法は複利であるべきとしています。これにはなるほどと思わず感心してしまいました。

第3章では、世界初のオプション取引としてギリシャ時代のオリーブ搾油機が紹介されています。このような原始的な例は驚きであると同時に、オプションが非常に身近に感じられます。さらにとても分かりやすくなります。

第4章は中世のヨーロッパの話です。当時キリスト教は現在のイスラム教のように利息を禁じていました。しかし奴隷の売買は問題なしとされていたようです。当時は肉体を束縛することは精神の救済に役立つという論理で正当化されていたようですが、現在の感覚から言うと非常に不思議ですね。ローマ・カトリックから見ると、イスラム教徒はもちろん、ギリシャ正教会、アングロ・サクソン人、スラブ民族のすべてが救済の対象だったようです。

第5章、第6章では大航海時代、東インド会社などと共にチューリップ・マニアについて書かれています。チューリップバブルといった方が分かりやすいかもしれません。世界3大バブルのうちのひとつですね。

第8章はミシシッピ会社と南海会社についてです。後者は南海泡沫事件で有名な会社ですが、当書籍ではこの事件についてはさらっと紹介している程度です。またこの章ではアメリカの取引所の起源となる団体が「すずかけの木の下」で発足したエピソードを紹介しています。発足は1792年ですが、1980年代まで実に200年近くに渡ってここで決定した委託手数料が採用され続けたとのことです。

第10章は19世紀イギリス、アメリカの話です。この時期に現在では当たり前となっている有限責任制がイギリスとアメリカで導入されます。それまでは無限責任でした。つまりもし会社が倒産し出資した金額で足りなければさらに資産を差し出す必要があったのです。したがって無限責任制ではかなりの資産家でなければ資本参加できませんでした。しかし、有限責任制の導入により、摘出した資本までの責任で良いことになり、株式の大衆化が一気に進みます。これにより大きな資本が必要な産業においても効率よく低金利で資本を調達できるようになるわけです。これは本当に重要な発明ですね。

第11章では日露戦争時の日本とロシアの資金調達事情について書かれています。日露戦争は第0次世界大戦とも位置づけられいるように、大きな戦費が必要となる世界初の近代戦でした。近代戦においては経済が戦争の勝敗を左右する事情が分かりやすく描かれています。その後の第一次世界大戦、ワイマール共和国のハイパーインフレーションなど、戦争や戦後の世界が経済・金融の側面から紹介されています。1929年の世界恐慌についてももちろん触れています。ここで興味深いのが大暴落した株価が回復するのに費やした時間についての考察です。大暴落前の高値を回復するのに名目の株価では25年もの歳月を費やしています。しかし、その間に物価は上昇していますのでインフレ率を考慮すると、実に約50年も回復できないままだったのです。著者は現在の市場参加者は大暴落を軽視し過ぎていると警鈴を鳴らしています。そしてバブルの物語を著したガルブレイズの言葉は印象的です。「人間の仕事の諸分野のうちでも金融の世界くらい、歴史というものが無視されるものはほとんどない」

第12章では大戦前後の日本の金融市場について描かれています。自国の戦争と株式市場との関係は本当に生々しいです。この歴史は参考にすることはないと願っていますが、戦後の預金封鎖については知っておいても損はないでしょう。

第13章は金ドル本位制(ブレトン・ウッズ体制)とその崩壊についてです。今では変動為替相場制が常識ですが、当時は固定為替相場制が当たり前でした。

第14章で日本のバブルとその崩壊について述べています。プラザ合意後に資産インフレ下にありながら円高により消費者物価などのインフレ指標が上昇しなかったとあります。この一因となった非金融一般企業への特金の解禁は南海会社事件などのバブルと同じ構図だったといいます。

第15章ではファイナンス理論がウォール街に適用されていく歴史を紹介しています。効率的市場仮説に従うとマーケットを出し抜くのは不可能であり、インデックスファンドが最も効率的とされます。これにバフェットが反論するグレアム=ドッド村の話はあまりにも有名です。結果的に市場は「まったくの」ランダムでも「完全に」効率的でもないが、効率的市場仮説はある程度正しいというのが本当のところのようです。本章では金融に関しての理論的なアプローチの歴史がギュッと凝縮されており、ここを読むだけでも充分この本の値段分の価値があると思います。

本当に良い本でした。


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2015年4月17日金曜日

最高の株を最高のタイミングで買うための方法~「オニールの成長株発掘法」



モメンタム投資で有名な著者のこの本が以前から気になっていたので読んでみました。

テクニカル重視でファンダメンタルはあまり気にしていないのかと思ったらそうではなく、著者曰く「最高の株を最高のタイミングで買うための方法」とのことでした。氏が提唱するCAN-SLIM法はファンダメンタルとテクニカルを融合させた方法です。


CAN-SLIM

C(Current Quarterly Earnings)・・・当期四半期のEPS
A(Annual Earnings Increases)・・・年間の収益増加
N(Newer Companies, New Products, New Management, New Highs Off Properly Formed Bases)・・・新興企業、新経営陣、正しいベースを抜けて新高値
S(Supply and Demand)・・・株式の需要と供給
L(Leader or Laggard)・・・主導銘柄か停滞銘柄か
I(Institutional Sponsorship)・・・機関投資家による保有
M(Market Direction)・・・株式市場の動向

バフェットやリンチとは異なる部分も多いですが、 実はファンダメンタルを重視しており、本当に強い企業しか対象としません。良い企業を買うというところではみんな同じなんですね。

チャートをしっかり見たり、株式市場の動向を見たりするところは両氏と明らかに異なります。

ただ、しっかりと決算を確認して、株式の評価をしたうえで少し高くなっても購入に踏み切った時、結果的に著者のいう取っ手付カップの柄の部分で購入していたりするので、株というのは奥が深いものだと思い知らされます。

私個人としては、利益をできるだけ引っ張ることを考えるのであればチャートを見るのは案外有用だと考えており、天井圏での株価上昇を伴わない出来高増加など非常に勉強になりました。

株式市場の動向に応じて控えめにキャッシュポジションをコントロールすることは私の投資のひとつのテーマでもありますので、多いに参考にしたいと思います。

広瀬氏のグロース株投資でもほぼ同様の方法が紹介されているのを思い出しました。米国投資の本流といっても良いのかもしれませんね。




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2015年3月28日土曜日

消費増税時の各種経済指標から景気への影響が分かる~「日本経済はなぜ浮上しないのか」


著者の主張は読む前から理解していたので、どのような内容が書いてあるかは想像通りだったのですが、データをしっかりと分析して、結論を導いているところはさすがという感じでした。


「デフレ状態でマネタリーベースを増やしてもマネーストックや貸出は増えないので無駄である」という予測がありましたが、実際にはマネーストックは増加し貸出も増えていたとのことです。期待に働きかける非伝統的金融政策の効果がここでも実証されました。


また消費増税後の各指標の悪化は6月末までに判明していたとのことです。しかしながら夏季一時金の伸びに期待し、政府日銀もメディアも先行きに楽観的だったことは記憶に新しいところです。


そして景気の減速が決定的となった7-9月のGDP速報値を受けてなお追加の消費増税を望んでいたとされる日銀は、政府の決断の前に増税を援護射撃するサプライズ追加緩和を行いました。


黒田さんは優秀なセントラルバンカーだと思うのですが、個人的にこの時の判断は純粋にデータのみに基づいた判断という訳ではなく、上記のような政治的な意味合いが混ざっていたような気がしてます。実際のところはよく分かりませんが、本当にそうだとすると残念なことです。



P177では増税決定の矛盾として当たり前すぎる以下の点を指摘しています。

政府は消費税増税を決めた後で、増税の悪影響を抑制するための経済対策を決定しました。しかし、そもそも経済対策が必要というほど消費税増税の悪影響を懸念するのであれば、悪影響を懸念せずにすむ幅での増税を行うか、消費税増税を行っても問題がない段階まで増税を先送りするべきでした。


また、P181では増税の影響緩和策を法人税減税や投資減税に求めることの過ちを以下のように述べています。

消費税増税によって影響を受けるのは民間消費や住宅投資、そして家計の実質所得です。これらが減ることは、国内需要が減ることを意味します。輸出が大幅に増加する可能性を除けば、国内需要が減る中で企業が生産を増やすために設備投資を行う可能性が低いでしょう。

経済優先と言いながら政府全体で見た時には他の事情から矛盾が非常に多くなっており、アクセルとブレーキを同時に踏むようなことを至る所でやっていることが本書を読むと改めて理解できます。

結局10%への消費税増税はひとまず回避されましたが、このような迷走した政策が続けば、いずれはデフレに逆戻りし、財政再建が遠のくのではないかと心配になってしまいます。

我々国民も金融政策や税が景気に及ぼす影響をしっかり理解し、選挙権を行使しないと子供や孫の将来は真っ暗のままです。 

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2015年2月24日火曜日

簡単にモメンタム投資が理解できる~「伝説のファンドマネージャーが教える株の公式」




ウイリアム・オニールに代表されるグロース株モメンタム投資をルール化しとその有効性について書かれた本です。正直なんとかの公式とか言うのは個人的に好きではないのですが、納得できる内容も多かったですし、新たな知識も得られて勉強になりました。

まず相場全体の勢いを表わす指標として新高値銘柄数レシオというものを提唱しており、これはぜひ取り入れたいと思います。先日学んだようにPERだけでは相場の趨勢は判断できないということのようなので、

チャートで分かるファンダメンタルズの重要性~「チャートで見る株式市場200年の歴史」

PERと長期金利、それからこの新高値銘柄数(レシオ)を継続的に観察していこうかと考えています。

それから売りの基準は勉強になりました。業績悪化は当然ですが、不正は即売事故は状況次第だが原則売りだそうです。

また、ロスカットルール8%は絶対必要で、ナンピン買いはありえないそうです。これはモメンタム投資にとっては鉄則なので当然でしょう。しかしこの基準といい、PER60倍以下はOKという基準といい、バリュー投資から入っている私にはなかなか体で理解できないところではあります。

結局のところ、PER60倍近くの投資でも、テクニカル指標やロスカットルールによる売りの基準がしっかりしていれば、損失はコントロールできるということなのでしょう。確かに頭では納得できる内容ではあります。


簡単にグロース株モメンタム投資が理解できるので、その道をまず知りたい人にはちょうど良い書籍ではないでしょうか。


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2015年2月21日土曜日

チャートで分かるファンダメンタルズの重要性~「チャートで見る株式市場200年の歴史」



市場全体PERだけでは相場全体の動向は見通せないという結構ショッキングな内容から始まります。その他大昔からの金利やインフレ率のグラフなど将来きっと何度か参照したくなるような貴重なデータが豊富で、手元に置いておくと非常に重宝しそうな書籍です。

この本は現在図書館から借りており、安ければ買ってしまおうかと思ったのですが、中古でも3600円程度・・・。結構高いです。kindle版なら約1800円。うーん。そのうちkindle購入も含めて検討したいと思います。


以下は個人的に印象に残った内容のメモです。

・私は最近ではマーケット全体の予測をするときに、要素としてPERやそれ以外の比率をフィルターとして使うのをやめてしまった。PERや株式益回りは、特定の銘柄を同業他社と比較するときだけに使えば良い。(P39)

長期金利との比較と、マーケットの価値に対する全体的なセンチメントを考慮しなければ、PERを正しく判断することはできない。(P45)

・ 収益は短期で見た場合、誤解を招くことが多い。しかし、長期的に見れば、このチャートが示すとおり収益ばマーケットの方向性を支配している。(P51)(これはピーター・リンチも言っていますね)

・実は過去の株価の変化から景気を予想するとかなり当たる。ただ、景気予想から株価を予想するのはほぼ無理だろう。理由は、株式市場がまるで魔法のように経済をいつも先導しているからだ。(P142)

・ PERや将来の収益に基づいて株価が上昇すると予想する専門家がいたら注意してほしい。彼らの理論には無理がある。私が長年フォーブス誌のコラムや著書などで主張しているように、いろんな評価基準を使ってほしい。PERだけで株価を予想することはできないのだ。(P155)

・大きな下落のほとんどは一か月に約2%前後の割合で下げ、それを大きく上回ることも下回ることもあまりない。(中略)大きな弱気相場は規模と期間の駆け引きだ。弱気相場はみんなを悲観的にし、楽観的な人がほとんどいなくなると終わるのだが、このとき規模よりも期間の方が重要になる。短期の急落では、少し前の上昇相場を覚えている人がまだたくさん残っている。みんなが崩壊は止まらないと感じるようになるためには、投資家が疲れ果てるまで十分な時間が必要なのだ。
 そこで、1907年と2%ルールを覚えておいてほしい。もし一部の人たちが言うように1987年のダウ平均の高値である2200ドルが主要な景気循環の高値で、マーケットは次の下落で最低でも25%は下げるのであれば、すぐに底を下がるべきではない。2%ルールに従えば、底を形成するための十分な悲観論が広がるためには8~16カ月かかり、もっとも可能性が高いのは12カ月くらいだろう。ここは忍耐が必要だ。(P169)

・彼ら(マーケットを打ち負かした人)の共通点は、だれもタイミングで勝負しようとはしていないことで、みんなそれ以外のことに着目している。彼らは「今日は天井だから全部売ろう」と言ったりはしないし、「底」で特別な動きをするわけでもない。
 その代わりに、彼らは何らかのファンダメンタルズ的価値を重視した仕組みをもっている。このなかには私がスーパー銘柄と呼ぶ株もあれば、フォーブス誌でいつも紹介しているように質や価格が自分の基準に合う銘柄が見つかった時だけ買う方法もある。株価が高すぎて自分の基準に見合う銘柄が見つからなければ、彼らは買わない。強気相場がさらに進めば、以前に買った株は高くなりすぎたということで、抜け目のないプロは売却する。しかし、そのとき買いの基準を満たす銘柄が見つからなければ、彼らの現金の割合は増えることになる。(P421)

・これらのチャートは、いわば人の心を落ち着いた気分にしてくれる最高の決定機関のようなもので、伝説の投資家たちが頭のなかのデータを助けとしているように、これらのチャートが読者の助けになってくれるだろう。
 マーケットが25%下げて怖くなったときに、注目している銘柄が価値に対して割安だから買っても大丈夫だという安心感が欲しければ、これらのチャートを使って欲しい。(P422)

・(各国の財政赤字を指して)そもそも正しい会計処理を行えば、この大々的に報道されている赤字が本当に存在するのかどうかさえ私にはよく分からない。例えば、もしデュポンがアメリカと同じように帳簿をつけていれば、この巨大な化学企業でさえ何十年もノンストップで赤字に転落するだろう。デュポンが健全性を維持しているのは、企業が工場を建設したり自動車やコンピューターを購入したりするときにそれを貸借対照表の資本勘定に計上し、資産ごとの推定寿命に基づいて少しずつ費用として計上しているからだ。しかし、アメリカには貸借対照表がなく、同じものを買っても即座に計上される。フォーブス社が発表している上位500企業も、政府と同様に超保守的な現金ベースの会計処理を行っていれば、みんな赤字に陥ることになるだろう。



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2015年2月11日水曜日

ストラテジストにさよならを~なぜ損切りが困難なのかを安く簡単に理解できる




投資に必要な心構え、心理学の基本をザッと押さえるのにとても良い本です。薄くて量が少ないし、安価なので手軽に読めます。それでいて本質をズバリと突いています。しかしいわゆるハウツー本ではないので、儲かる方法を探している人はお勧めしません。著者はそんなものはないと断言していますし、私もそう思います。

内容についてはほとんど納得のいくことばかりでした。唯一長期投資にロスカットルールが必要というところは納得ができませんでしたが、著者も最良ではないと断った上で紹介していたので、それだけ初心者は塩漬けしてしまうということの裏返しだと思います。


特に印象に残ったのは「プロスペクト理論」「経路依存のバイアス」「日本株でも儲かる」というところです。ざっと解説します。


プロスペクト理論

この理論の効用曲線から分かる事は3つ

1.利益の領域の効用(満足)の傾きよりも、損失の領域の効用(苦痛)の傾きの方が大きい
→同じ額で得られる利益よりも苦痛の方が大きい
2.利益が大きくなることにより効用(満足)の傾きが緩やかになる
→追加的な利益から得られる満足は小さくなる
3.損失が大きくなることにより効用(苦痛)の傾きが緩やかになる
→追加的な損失から受ける苦痛は小さくなる

結果的にこれらが「損失は先送り、利益は早く確定する」という悪循環を生んでしまいます。つまり人間は感覚的に行動すると、結果的に経済合理的でない行動となってしまうことを良く表わしています。「損切りは早く、利食いは遅く」という格言は、この非合理性を補正するためであることがよく分かります。

ちなみに個人的には買値にアンカーされているからこのような心理学的な現象が起きるのではないかと思います。私は株式の時価がその時点での資産の絶対的な価値であると考えたとき、これらの呪縛から逃れることが出来た気がします。

含み益、含み損、利益確定、損切り。これらの考え方は短期投資と長期投資で切り替えなければならないことはこの本に書いてあります。今プレミアがついてしまって高いです(汗)。



経路依存のバイアス

これも心理学上の話です。映画館についてから、映画の前売り券(2000円)を失くしたことにきづいた場合と、2000円を失くした場合とでは行動が異なるといった類のことです。失ったものの価値は同じなのに、その後同じように行動できないのは合理的ではないですよね。

投資で言うと、「含み損を確定させる」ことに抵抗があるのは、含み損が解消されることによる効用は、新たに買った株式に含み益がでることの効用よりも大きいからだそうです。

私が依然悩んだ、高値で売った後買い戻すのと新規買いでは、前者の方が心理的に買いやすいのもこのバイアスです。

常に合理的に判断できるようによく考えなければいけませんね。



日本株でも儲かる

2001年から2010年までTOPIXは-30%で右肩下がりなので、投資するべき市場ではなかったととらえられていますが、実は東証一部の二つに一つの銘柄は値上がりし、値上がりした銘柄を平均すれば倍になったということです。

何となく分かっていましたが、データとしてはっきり確認できたことは収穫でした。つまり銘柄をしっかりと選択できれば、市場は関係ないということですね。著者は指数から離れると良いと言っています。




この良書の著者はマネックス証券のチーフ・ストラテジストで、同証券のCEO松本氏の志は「個人投資家に外資系の機関投資家に提供してきたのと同等水準のサービスを届けたい」だそうです。

今はマネックスに口座を持っていませんが、作ってみようかと思わせてくれる本でした。




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2015年2月1日日曜日

[入門]金融のしくみ~バーゼル規制とシステミック・リスクの説明が簡潔で分かりやすい




株式、債権、投資信託、REIT、ETF、FXから始まり、株式市場・為替市場、中央銀行の役割など金融に関する幅広い内容を分かりやすく簡潔に説明しています。これまでいくつか金融の書籍を読みましたが個人的には一番分かりやすかったです。

特に先物、オプションなどといった難解な商品を簡潔に分かりやすく解説していると思います。著者の理解力と説明能力が光っています。

またデリバティブや証券化・サブプライムローンのしくみとバブル・リーマンショック・シャドーバンキングの解説、システミック・リスクを防ぐための金融規制(バーゼルⅠ・Ⅱ・Ⅲ)とその意義と見解など最新の金融動向に関する説明が詳しいです。

金融に関する基本的なことから最近の動向まで簡単に把握できる良い入門書だと思います。


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2015年1月25日日曜日

バリュー投資のチェックポイントを分かりやすく解説 「バリュー投資の強化書」



バリュー投資を行うためのチェックポイントが具体的なので、初級者にはちょうど良いかもしれません。しかし、財務諸表を一通り理解していないと読めないので、初心者には難しいかもしれません。

個人的には有価証券報告書の冒頭の5年間の業績推移、msnマネーの業績推移が有用であることを教えてもらいました。

今日の株式市場: ニュース、データ、および概要 - MSN マネー

また、棚卸資産の重要性を再認識することができました。著者のHPもあるようです。

パーシャル・オーナー|角山智|有終の美を飾るためのバリュー投資

それにしてもアマゾンでかなりのプレミアがついてますね。こういう書籍も良いものですが、個人的にはアメリカの投資家の著書の方が含蓄があって好みです。


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2014年11月29日土曜日

大きな期待を抱くのがなぜいけないか


ピーター・リンチの「株で勝つ」16章ポートフォリオをつくるの冒頭に次のような記述があります。

大きな期待を抱くのがなぜいけないか。もし毎年30%の利益を得ようとすると期待すると、おそらく、あなたを裏切る株に対して欲求不満に陥るだろうし、その挙句、短気を起こして、一番悪いときに、投げてしまうことになるかもしれないし、もっと悪いことには、不必要なリスクさえ冒しかねない。良い時も悪い時も、長期に利益を最大限にするような、一貫した戦略のみをとるべきである。

今年に入りあまりに調子が良いので、危うく短気を起こしそうになっていました。

最近になって、テンポスバスターズが上昇しはじめました。内心やっと動き出したかと思いました。そして今週の終値で今年2月の買値から+30%増となりました。


これを見て一瞬、まだこの程度の上昇・・・と思いましたが、よく考えると実は一年間のパフォーマンスとしては満点です。なにせ私の年間目標年利は+15%。その2倍の成績なのですから。

なぜ私が年利+15%という一見低い目標を掲げているのかというと、もうほとんど上のリンチの言葉通りです。


・自分を裏切る株に対して欲求不満に陥らないように
・不必要なリスクを冒さないように
・安定成長でROE15%の銘柄を悪くないタイミングで買えれば、十分達成可能であると考えられるから

そして年利+15%は30年で資産を66倍にします。30歳で200万円あれば60歳で1億3200万円です。私にとってはこれで十分です。余剰のパフォーマンスがあれば臨時収入として途中でちょっと贅沢をしてもいいと思います。

アインシュタインが「人類史上最大の発見」と認めた「複利」の効果 - バフェット流バリュー株投資で資産形成+

気持ちや目標は初心を忘れずに、スキルは上達を心がけていきたいと思います。

それにしてもやはりこの本はすばらしいです。何度も読み返す価値があります。そして著者のユーモアに思わずクスッとさせられます。



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2014年7月16日水曜日

十分分散された10の推奨銘柄~「ジム・クレイマーの株式投資大作戦」

ジム・クレイマーの株式投資大作戦より前回(ボトムが近いかどうかを見分けるために~「ジム・クレイマーの株式投資大作戦」 - バフェット流バリュー株投資で資産形成+)の続きです。

最後は「十分分散された10の推奨銘柄」です。著者は分散投資をこの10の分類の企業に行うことを進めています。

1.身の周りにある企業
2.石油株
3.名の通った優良大企業
4.金融関連銘柄
5.「投機」銘柄
6.「お勝手」銘柄
7.大型優良循環銘柄
8.ハイテク銘柄
9.振興の流通チェーン銘柄
10.第2のスターバックス

バフェット流では、自分の理解できる企業に限るべきで、自分の領域から出るべきではないとしています。私もそれを実践しているため、業種としては十分に分散してはいないです。

著者は理解しなくても分散をしなさいと言っているのではなくて、理解するためにホームワークをこなしたうえで分散しなさいと言っているので、よりリスクを減らすために実はかなり厳しいことを要求しています。

なかなかこれほどまでに広範な業種の分野を理解するのは難しいと思います。少しずつ理解できる分野を広げていきたいと個人的には考えています。





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