2015年11月26日木曜日

株式市場で生き抜くにはやはりベイズ統計~「シグナル&ノイズ」



良い本でした。どうすればより良い予測ができるようになるかという内容なのですが、その考え方はそのまま株式投資にも応用できます。本書によれば特にポーカーと投資がよく似ているそうです。

なので、ちょっと本書の趣旨からずれてしまいますが、特にポーカーと株式市場において気になったところを抜粋してみます。

P260
成功するギャンブラーというのは、絶対勝てる賭け、疑う余地のない理論、寸分の狂いのない測定といった観点から将来を考えない。これは愚か者の幻想であり、自信過剰警報となる。成功する人が将来を見つめるとき、そこには点在する確率分布が広がっている。確率は新たな情報が入ってくるたびに、株価の電光掲示板のように目まぐるしく変化する。ターゲットを十分な余裕をもってカバーしていると考えるなら、賭けてもいいだろう。

ベイズではまず事前確率はできるだけ客観的に、しかし若干の主観が残りバイアスがあることを承知で見積もります。そして自分の認知に限界があることをしっかりと認めるわけです。そして、その後得られた新たな情報により事前確率を修正します。そうすれば真実に近づけるというものです。つまりトライアル・アンド・エラーなのです。

P361
いいプレーをして勝つ。いいプレーをして負ける。まずいプレーをして負ける。まずいプレーをして勝つ。ポーカーのプレイヤーなら誰でも、これらの状況を何度も体験するので、プロセスと結果は違うものだらけだということが分かっている。

P260と同じことを言っていますが、将来には点在する確率分布が広がっているわけです。ですので、必ず成功するとか、絶対失敗するということはありえません。しかし、長い目でみれば確率分布通りになります。

P362
ポーカーをプレーするとき、判断を下すプロセスはコントロールできるが、どのカードが来るかはコントロールできない。たとえ相手のブラフを見抜いたとしても、相手に都合のよいカードが開いて負けるかもしれない。そんなときには怒るのではなく、喜ぶべきだ。最良の戦い方をしたのだから。皮肉なことだが、結果へのこだわりがなくなるにつれて、良い結果がでるようになるだろう。

確率分布通りの結果を得るには、多くの反復が必要です。したがって、数回失敗したからといって自分が間違っているとは限らないし、逆に数回成功したからといって自分が正しいと決まったわけでもありません。

P406
私自身は、多数が一致した意見には注意している。それに執着することはないが、コンセンサスから離れれば離れるほど、「みんなが間違っていて自分は正しい」と思うにいたった根拠が強固なものでなくてはいけない。たいていの場合は、こうした姿勢がよい結果をもたらす。ときには自分だけが市場に勝つこともあるが、いつも期待してはいけない。それは自信過剰のサインである。

もし、根拠が強固でコンセンサスと離れていれば、それは大いなるチャンスとなるでしょう。めったにあることではありません。大きく賭けるべきでしょう。

勉強になりました。ベイズを知りたいかたは別ブログになりますが、こちらもどうぞ。

現代の最先端の技術を支える理論「異端の統計学ベイズ」: 子供二人と猫一匹



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