2014年11月7日金曜日

DCF法を用いた株式評価法~7.四半期決算での修正



今回は四半期決算での修正について説明します。前回はDCF法を用いた株式評価法~6.適正価格の算出 - バフェット流バリュー株投資で資産形成+でした。


四半期決算での修正


前回までで、基本的な部分は説明しましたが、今回は四半期決算での修正について説明したいと思います。

というのは、実は修正FCFの算出は今のところ通期のキャッシュフロー計算書でしか行っていません。つまり一年に一度しか見直さないのです。理由はやはり一年を通してキャッシュフローの流れには偏りがありますので、四半期毎にそれを精査しても意味がないと考えているからです。

では一年間同じ適正価格のままなのかというとそのようなことはありません。

四半期決算で、いくつかの項目を見直して適宜適正価格を修正しています。その項目とは以下の3点です。

・財産価値(=純資産)
・修正FCFの成長率
・発行済株式数

実はこの修正を説明するのに最も良い題材が今期のブロンコビリーなのです。

同社は7/17の2Q決算発表と同時に通期業績の上方修正を行い、8/22に新株式発行及び株式売出しを発表しており、3Qの決算書では上記項目すべてが修正されているからです。

この数字を使って適正価格を修正し、前回のエントリーで求めた価格と比較してみたいと思います。


まずは財産価値です。これは3Q時の純資産ですから、決算書のP1にも掲載されているとおり



財産価値=10,309百万円


となります。期初は7,085百万円でしたが、一気に10,309百万円と3,224百万円も増えています。このうち919百万円は事業における利益剰余金ですが、残りは言うまでもなく増資による資本増強効果です。

この部分を適切に評価できるのはDCF法の良さだと思います。仮に銀行からの借り入れで資金を調達した場合はバランスシート上、負債の欄に計上されるので、財産価値は当然違ったものになります。その場合は当然後に説明する発行済株式数は増えないのですが。

次に修正FCFの成長率です。まず今期の増益率が+37.4%となったので、これを修正。さらに今期の増益率と増資による成長率強化、昨季までの実績を考えると期初の想定(2年目~3年目は8%、4年目~10年目は5%)は控えめすぎるということで、2年目~5年目は10%、6年目~10年目は7%に修正しました。結果として計算は以下のエクセルのようになります。


従って、

事業価値=17,825百万円

となります。


最後は発行済株式数です。3Qの決算短信P2は次のようになっています。



新株を発行したのでしっかり増えてます(当たり前ですが)。以前説明したように、①-②で算出します。

発行済株式数= 7,430,000 ー 296 = 7,429,704 株


従って3Qで修正された適正価格は

適正価格 = ( 10,309 + 17,825 ) / 7.430 = 3,787 円

となります。期初は2,937円でしたのでずいぶんと評価が上がったことになります。よってブロンコビリーを購入して良い最高の価格は3,787×3/4=2,840 円となります。



このチャートを見ていただくと分かるように、たまたま10/17に2750という安値を付けており、この近辺で買い増しすることが出来ました。しかしこのように算出した価格で買えない例もたくさんあります。買えるか買えないかはミスターマーケット次第です。

四半期での修正でも最も悩ましいのが、やはり修正FCF成長率です。今期は通期予想が出ているので問題ないのですが、2年目以降の成長率の設定が悩ましいです。さらにこの成長率により適正価格は大きく変わります。

同社の例で言うと、昨年までのEPS成長率は概ね10%程度と高成長ではなく、株価の上昇もかなり緩やかなものでした。そして期初は通期予想が8.5%の増益予想で、これより控えめに2年目以降を設定するということで2年目~3年目は8%、4年目~10年目は5%の成長率としていました。

しかし、2Q決算発表(7月)の頃には非常に利益成長が高いことが判明します。チャートを見ていただくとわかるようにその辺りから株価は急勾配で上がっています。それらを受けて成長率を見直すわけです。その基準は過去の実績や今期の予想、経営陣の考え方などを基に控えめに設定するのですが、結局のところ主観でしかありません。なので現時点では10%以上は設定しないようにしています。結果的に設定したのが、2年目~5年目は10%、6年目~10年目は7%という数値です。

このあたりの設定方法は私自身も試行錯誤している段階で、今後改良していく可能性も十分にあります。そこで重要になってくるのはビジネスの理解だと考えています。ですので、永遠の課題かもしれません。


DCF法を用いた株式評価法~1.はじめに
DCF法を用いた株式評価法~2.概要
DCF法を用いた株式評価法~3.財産価値について
DCF法を用いた株式評価法~4.修正フリーキャッシュフローの算出
DCF法を用いた株式評価法~5.事業価値の算出
DCF法を用いた株式評価法~6.適正価格の算出
DCF法を用いた株式評価法~7.四半期決算での修正
DCF法を用いた株式評価法~8.11年目以降の事業価値について


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2 件のコメント:

  1. お疲れ様です。
    調整局面で株価でなく、自分の算出した価格で比較するというのが
    参考になりました。

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    返信
    1. お疲れ様です。
      価格を見ていると茫然としてしまうことがありますよね。企業に目を向けることが私の一番の調整局面対応法になってます。

      削除

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