2014年10月26日日曜日

DCF法を用いた株式評価法~2.概要

今回は「DCF法を用いた株式評価法」の概要について説明します。前回はDCF法を用いた株式評価法~1.はじめに - バフェット流バリュー株投資で資産形成+です。




適正価格の評価式


この方法では適正価格を以下の式で表せます。

適正価格 = ( 財産価値 + 事業価値 ) / 発行済株式数


ここで
財産価値・・・現在の企業がもっている株主に割り当てられる資産
事業価値・・・将来に企業が稼ぐことができるキャッシュフローを現在価値に割り引いたもの
を表しています。

財産価値は現在までの(過去の)業績により企業に蓄えられた資産を評価しており、事業価値はこれから稼ぐ(未来の)業績による資産を評価したものです。それらを足し合わせた上記式から分かるように、この方法は過去と未来の両方を評価して適正価格を求めようとするもので、ここがPBRやPERといった指標を大きく異なるところです。



バランスが肝


これから細かい説明に入っていくのですが、財産価値と事業価値のバランスが肝でした。その理由を以下に示します。

・財産価値の評価が事業価値に比べて大きすぎると、いくら将来稼げる企業でも現在の財産価値がないと全然評価が上がらない

・事業価値の評価が財産価値に比べて大きすぎると、現在の資産がいくらボロボロでも成長性が高ければなんでもOKになる

下の場合の問題は現在の財産価値が軽視されることよりも、むしろ将来の価値評価に過度に依存してしまうことです。10年先のキャッシュフローを正確に予測できる人など誰もいないのですから、事業価値に過度に依存してしまうことにも問題があると考えました。

目標は優良株や成長株の割安度を評価することです。そのため市場の評価とかけ離れることがないように、各項目の評価を設定し必要に応じて微調整しました。 また、正確・精緻さより上で書いたようにバランスを重視しています。バフェット曰く「正確に間違っているより、大雑把に正しい方がまし」 だそうですが、まさにそんな感じで調整しました。

前置きが長くなりましたが、次回から具体的な説明に入りたいと思います。


DCF法を用いた株式評価法~1.はじめに
DCF法を用いた株式評価法~2.概要
DCF法を用いた株式評価法~3.財産価値について
DCF法を用いた株式評価法~4.修正フリーキャッシュフローの算出
DCF法を用いた株式評価法~5.事業価値の算出
DCF法を用いた株式評価法~6.適正価格の算出
DCF法を用いた株式評価法~7.四半期決算での修正
DCF法を用いた株式評価法~8.11年目以降の事業価値について


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2 件のコメント:

  1. いよいよですね。
    仰る通りです。
    ご参考にされた真髄~の本は
    以前買った記憶がありますので今日は押し入れから探して予習しようかなと思います。

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    1. こんばんは。
      ぴよたんさんは知識が豊富なので問題ないと思うのですが、より多くの人になるべく分かりやすく書いていきたいと思っていますので、ご意見・ご要望等あれば遠慮なくお願いしますm(__)m

      削除

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