2013年10月30日水曜日

割安株をスクリーニングする際に注意するべきPER、PBR、ROEの微妙な関係

割安株を探す際PERを指標としたスクリーニングを行うことが多いと思います。PBRも同時に表示させた場合、 

PER=5 PBR=0.5の銘柄とPER=5 PBR=1の銘柄ではどちらが有望でしょうか?

 PBRは小さい方が割安なのだから前者に決まっていると考えてしまいがちです。

どちらが割安かだとそのような判断になるかもしれません。しかしどちらが有望かだとそうとは言い切れなくなります。

理由は両者とROEの関係にあります。

順を追って説明してきます。

まず言葉の定義から整理すると

PER(株価収益率)=株価/1株当たりの純利益
PBR(株価純資産倍率)=株価/1株当たりの株主資本
ROE(自己資本利益)=(1株当たりの)純利益/(1株当たりの)株主資本

となります。この3者は実は切っても切れない関係があります。

ROE=PBR/PER
PER=PBR/ROE
PBR=ROE*PER

という関係です。この式だけではよくわからないので、グラフを書いてみました。




これでとても分かりやすくなりました。このグラフからは以下のようなことが読み取れます。

ROE10%を固定した場合(PBR=1 PER=10 )(PBR=1.5 PER=15 )(PBR=2 PER=20 )

PBR=1を固定とした場合(PER=10 ROE=10%)(PER=6.67 ROE=15%)(PER=5 ROE=20%)

PER=5を固定とした場合(PBR=0.5 ROE=10%)(PBR=0.75 ROE=15%)(PBR=1 ROE=20%)

PER=10を固定とした場合(PBR=1 ROE=10%)(PBR=1.5 ROE=15%)(PBR=2 ROE=20%)


つまりPERを固定すると、本来小さい方が割安なはずのPBRが大きい方がROEが大きくなるのです。当然ROEは大きい程が良いわけですので、最初の命題において必ずしも前者が有望とは言えなくなります

PERでスクリーニングする時は、自分が資産株を探しているのか成長株を探しているのかを意識してPBRを見るあるいは設定しないと、意図せずにROEがある範囲の銘柄を検索対象外にしている可能性がありますので、注意が必要ですというお話でした。


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